リエスタ!

”リエの旅スタグラム  リエスタ!” という名前で、

北イタリア日本人会の会報に執筆をしていたのだが、

わたしの日本への引っ越しを機に終了。

いま調べてみたら、最初の記事が2019年2月。

そこから2021年1月まで13回の寄稿をしていた。

内容は、名前の通り旅の記事。

アイスランドから始まり、欧州各地やミラノの街角まで、いろいろ書かせていただき、

わたしの撮影した写真も使っていただいていた。

会報は北イタリア日本人会の会員のみが読むことができるものなのだが

最後のわたしの記事を、このブログの読者の皆様へプレゼントします。

では、どうぞ 💛 (写真も実際使用されている写真です)


・・・・・

リエの旅スタグラム リエスタ!


太陽の光りが街を照らす前の時間、遠くの方から、

トラムがカーブを曲がる音が聞こえてくる。

それを合図に、私の耳は外の世界の音を拾い始め、覚醒していく。

裏庭からは鳥たちのさえずる声、

道路の向こうからは、大声で怒鳴りあったり

笑いあったりする八百屋のおじさんたちの声。


平日の朝、多くの人が動き出す時間になると、近所のタバッキ兼バールからは、

カチャカチャとコーヒーカップの音が聞こえ、

アパートの管理人パオロさんが、前の歩道をほうきで掃く音が聞こえる。

シャッシャッシャッシャッ。


バルコニーから顔をヒョコッと出して、

下の歩道を歩いて駐車場へ向かう夫の姿を見送る。

そのまま西の方をのぞくと、建物の続くその向こうの空には、モンテローザが見える。

巨大で雄大なその姿が、くっきりときれいに見える日は、空気の澄んだ日。

引っ越してきたばかりの頃、そこにある白いものが山だとは気づかず、

いつも同じような場所に雲が浮かんでいるのかと思っていた。


道路から出勤時のざわめきがなくなる頃、同じアパートのどこかのキッチンからは、

モカでエスプレッソを作る香りが漂ってくる。

それは大抵毎日同じ時間。

今日もその誰かは、自宅で日常の朝を過ごしている。

今日も私は、自宅でいつもの朝の雰囲気を感じて過ごしている。


私は、あと数日でミラノでの生活を終えようとしている。

次はどんな朝を過ごすようになるのだろうか。


ミラノでご縁のあった皆様、リエスタを読んでくださっていた皆様、

自分の家で日常の朝を迎えられる幸せを私に与えてくださっているすべての存在へ、

感謝をおくります。

ありがとうございました。


Life is a journey, Life is beautiful!

ミラノ在住 瀬戸里絵 

寄稿日: 12月19日

Instagram @rie.s.seto 






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