左回転で身体が緩むのか?

「お腹に手を置いて、左回りにゆっくりなでると、身体が緩む」

私がこれを始めて聞いたのは、多分お父さんから。
聞いたのは20年以上前か、さらにそれより前、
まだあんまりインターネットが普及していなかった時代。
その時に理由も教えてくれたと思うが、それは覚えていなくて、

「ネジは左に回すと緩み、右に回すと閉まる。それと同じと覚えておけば良い。」

と言われたことは覚えていた。
ただ私は普段ネジそのものを触る機会があまりなかったので、
いちいち「ネジってどっちがどうだったっけ?」となってしまって、
まずはネジを触った数少ない記憶を思い出すところから始めたり、
「自分のどっちから見て左周りだっけ?」と考えてみたり、
いちいち面倒な感じになっていた。

今思うと、ネジは水道の蛇口と同じだから、
左に回すと緩んで水が出る&蛇口が軽くなる
右に回すと閉まって水が止まる&蛇口が固くなる
のイメージの方が、当時の私には合っていたかもしれない。
その頃はまだ、そういう仕組みの水道も多かったし。
(もしかして父はネジ=蛇口は当たり前に同じものと思うはずだ、として「ネジ」と言っていたのかも。仕組みを知らない当時の私は連想できなかった。)
今だったら「ペットボトルの蓋を開ける時と閉める時」というイメージが良いかも。

そしてその後、
お茶を急須から器に注ぐとき、手をなんとなく回転させながら注ぐ理由は
その方がお茶が美味しくなるから。日本でもトルコでも云々。
というような情報を見かけた。
なんだけれど、やっぱりそこでも私は、
回転させる理由は美味しくなるから、は分かったけれど、
なんで美味しくなるのか、の理由を覚えていない。

そのまま20年が過ぎました。

そしてこの文章を書いている日の前日、友人がお茶を淹れてくれた時に
「左周りと右回り、それぞれにかき混ぜて飲み比べてみて」と言ってきた。
「そうそう、それ!」と思い出し、それぞれの味わいの違いを楽しみながら、
違いが生まれる理由は何だと思うか尋ねてみた。
その友人は、中医学も西洋医学も専門にしていたり、様々知識の深い人。
友人曰く、

地球の自転が左回転(北極側から見た場合)なので、
・左回転は無意識に人は安心する
・道に迷った人を探すとき左→左→左で探すと見つかりやすい
 (迷いながら自然に左ルートを選んで進んでいる可能性高いから)
・陸上のトラックも左周り、その方が良いタイムが出る

というような事を話してくれた。
なるほど、地球の回転の動きに合わせて無理なく動くから
身体が緩んだり、味が柔らかくまるみが出たりする、
のかな?
と自分なりに解釈した。

そのあと、自分で調べてこんなコラムも見つけて読んだ。
スーパーなどの店舗設計や商品陳列、ディズニーランド、お化け屋敷、などの
マーケティング分野でも、左回りの法則が活用されているらしい。
世の中には右利きの人、右足が軸足の人、が多いからという理論も載っていた。

それで思ったのだけれど、
そういえば友人から地球の自転の話を聞いた時に「北極から見たら、だけど」と
ひと言付け加えていた。
私もいつも「自分のどっちから見てどっちだっけ?」とゴチャゴチャしていた。

北極から見ると左回転の地球だけれど、
南極から見ると逆で、右回転している。(公転も同じく)
台風の渦の向きも、北半球は左回転、南半球で右回転。
プールやお風呂に溜まった水を流すと、北半球では左回りに流れて、南半球は右。
これを『コリオリの法則/コリオリ力』と言うのだと知った。
(溜まった水の話は、他の力の関係性もあり、必ずしもそうなるわけではない、と書いてあった)

こうして読んでいるとどんどん疑問が出てくる私の頭。
じゃあじゃあ、例えば!

これって、北半球側の国の勢力が強いとか、北半球側の国の学者たちが多いとか、
そういう理由で、左回り理論があるのか?
それとか、
人の住んでる割合が9:1くらいで北半球の方が多いから
その理論を都合よく使える人が多い?

じゃあ、
私が南半球に住んでいたら、お茶を右回転でかき混ぜた方がまろやかに感じるのかな?
身体も右回転に撫でた方が緩むのかな?

ていうか、
そもそも宇宙空間に上とか下とかあるの?
地球の北極側を上にして考えた場合って、一体どういうことだろう?
やっぱり北半球側の人間が考えるからそう考える?

とか考えて、また頭がゴチャゴチャしてきました。
ここまで読んでくれてゴチャゴチャに巻き込まれた人、いますか(笑)


『イタリアのナポリの人はカッフェ(エスプレッソ)を飲むときに
10回くらいかき混ぜてから飲む、その方がおいしくなるから』

と聞いたことがあった。
イタリア人はお砂糖を入れて飲む人が多いので、かき混ぜる人が多いのだけれど、
お砂糖を入れない人であってもかき混ぜる、ということだった。
ただ私はイタリアのミラノに5年くらい住んでいたけれど、
毎日のように行っていたバールで(エスプレッソを飲む場所)、
砂糖を入れずにかき混ぜている人は見かけていない気がするので、
もしかしたらナポリの方だけでの慣習なのかもしれないし、
私が出会っていないだけなのかもしれない。

まあ、とにかく、
かき混ぜる・回転させる・渦を起こす、
ということで何かしらの変化が生まれるのは間違いない。

私は南半球は未踏。
シンガポールに一日だけ居た時が、最も南半球に近づいた時。
だから南半球でどうなるのか、体験したことがない。
どうなるのか興味があるな~。

左利きの人は、日常生活で使いずらいものがたくさんあると聞く。
ドアノブの位置、はさみの形、は実際に聞いたことがある。
地球に右利きの人が圧倒的に多くて、その人たちが右利きを基準に、それに都合よく、
いろんなものが作られているから。
北半球を基準に考えるのも、それと同じなのかな。

と、
気づくとどんどん真実を探す旅に出る私の頭。
どんどん考えていくと宇宙とか哲学みたいな壮大な話になってきて、
全然結論に辿り着かない。

なぜ左回転が緩むのか、
のはっきりした理由はやっぱり分からない。

分からないことだらけだけれども、
今まさに目の前で起きている身体の反応や感覚こそが自分の真実

ですね。
と、地球44年目の今はそう思う。

そう思うんだけれど、いろいろ考えを巡らせることは好きです。


エスプレッソ、回転、渦、混ぜる、左回転、北半球、瀬戸里絵









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