アルバニアとミラノと日本の事情
ミラノに住んでいた時、いろんな国の人と話す機会があった。
ある日、バス停でバスを待っていたとき。
その時わたしは、日本人の友達と二人でいたので、日本語で話をしていた。
バス停にはもう一人、バスを待っている男性がいて、わたしたちに話しかけてきた。
「いま話しているのはどこの国の言葉ですか?」と質問された。
日本語だと答えて、そこからお互いが何故ミラノに住んでいるのかを少し話した。
その男性はアルバニア(うろ覚えだが確かそのあたりの地域)の出身の方で、
単身赴任でミラノに働きにきているとのことだった。
どういういきさつだったか覚えていないけれど、そこから食べ物の話になって、
男性は、故郷アルバニアの食べ物がとてもおいしいこと、野菜もお肉も生命エネルギーにあふれていること、
新鮮なものが手に入ることが当たり前だったこと、野菜への農薬、お肉への投薬など
ほとんど無しに育つものが手に入ること、などを教えてくれた。
そして同時に、ミラノの食材のことを強く批判していた。お肉も薬で膨らませていたり、
農薬も使っていたり、ぜんぜん新鮮じゃなくて 云々。
私はそれを聞きながら、こう思った。
「このおじさん、わたしが今ここで日本の現状を伝えたら卒倒するんじゃないかな。
実際日本に来て、普通にその辺で売られているものがどんなものか知ったら、
目から鱗どころか、肩から首が落ちる勢いなんじゃないかな」
日本で許可されている農薬使用量や化学肥料、動物への投薬や育てる環境のことや動物が食べる飼料のこと、
イタリアを含むEUで許可されているそれらの種類や量のこと、
私は両方とも知っていたので、はっきり言ってイタリアに住むようになったときに
すごく安心した面がある。普通の庶民のスーパーで、ボーっと何も考えずに食材を
買ったとしても、日本の数十倍(最低でも10倍)は安全、と知っていたから。
そして、知識として知っている状態だっただけのそれが、
日を追うごとに、体で感じるようになった。
特に舌、味覚。そして、肌感覚というか、目に見えないんだけれどエネルギー的に感じるもの。
アルバニアの男性が言うところの「食べ物から感じる生命エネルギー」とか
作り手の愛情のエネルギーとか、そういったものも以前よりもどんどん感じるようになっていった。
このバス停での数分、
日本の庶民のスーパーで買い物をしていた私が感じていた「ミラノの食事情」と
アルバニアから来た男性が感じていた「ミラノの食事事情」は
大きく異なる印象なんだなということが良く分かった時間だった。
そもそものベースというかステージが、男性より私の方が相当低く、そこからEUに来たから
「ミラノの食はとってもいい(安心安全栄養高い)!」と感じる。
もちろんミラノの中でも、スーパーの中でも買うものを選んだり、スーパーではなく生産者さんから直接買ったり、
生産者さんの中でもどの人から買うか選んだり、市場に行って買ったり、
などなど選択をしていけば、ずいぶんと食材の質は変わる。
その選択もわりと容易に気軽にできる。購入できる場所や値段の面でも、ハードルが高くない。
因みに今わたしは日本では、生活クラブ生協に加入して食材を購入している。
食材ならなんでも揃うのだが、特に調味料、あの品質であの製法であの材料であの値段、って日本では驚愕レベルだと思う。
因みに其の2、もしも近所にスーパーマーケットのサンヨネがあったら、生活クラブ生協と
サンヨネを併用していると思う。サンヨネは庶民派スーパーながら、あの品質の品ぞろえと
値段は凄い。(愛知県豊橋市~豊川市あたりにあるスーパーです)
長野県では、ツルヤもなかなかいいなと思う。