民意
日本刀。私にとってそれは ”存在自体は知っていたけれど、時代劇の中のものだったり、美術品として好んでいる人が現代にもいるらしい” 程度の認識のものでした。 自分の生活の中には全く関わることのなかったもの。 それが今の夫との出会いで大きく変わりました。 夫の父は福岡県で刀鍛冶を職業として生きている人。 NHK WORLDで日本刀の特集があり、義父も取材を受け、世界へ向けて放映されました。 その日本語記事が公開されたのでご紹介します。 日本刀を未来に伝える ~伝統の継承と課題~ この番組の中には、義父ともう一方の刀鍛冶が出ています。刀匠の世界の最高位 「無鑑査」をもっている二人。 この記事を読んで私が感じたことは、対照的な考えを持つ二人だな、ということ。 だからこそ選ばれて取材を受けたのかもしれません。 それぞれの想う日本刀の未来があり、そこへ向かってそれぞれが生きている。 それぞれの信じる世界の中で生きている、そんな感じを受けました。 人は皆、それぞれの信じる(想う)世界の中でのみ生きる、自分の信じる世界を自分で創りあげている。 どちらが良い悪いではなく「それぞれ違う」のですよね。 義父の言葉が印象的でした。 「現代の人が、それを宝ととらえるかどうかなんですね。刀の世界をどう考えるのか。千年以上続いてきたものを、もう無くなってもいいやって思えば、日本では、無くなるでしょう。皆さんどう考えるかですよね。日本刀を絶やすか、まだ続けさせるか。これは誰が選ぶのでもない、皆さん全体が選ぶものですからね。我々が一生懸命訴えても、そういう時代じゃないって言われれば、それで終わりなのです」 NHK WORLDで放映された番組はこちら NEWSLINE (英語放送 約4分) こういった各国や各地域に伝わる伝承文化がどうなっていくか、それはその地域に生きる人の意思や意識や考え方によって、その先が決まっていくように思います。 これって、伝承文化の話に留まらない。 例えば会社という組織だって「働かせてやってる」「働かせていただいている」ではないと私は感じていて、その会社で働きたいという人がいなければそこは会社として成り立たないしやっていかれないわけです。 国もそう。いくら国が規則を決めて「〇〇しなければ投獄」「〇〇しない人はxxへ入れない」と言っても、国民の多くがそれに従わなければ、その規...